学習指導要領改訂に関する考察(3)
さて、今回は今回の改訂の目玉である英語教育の変化といわゆるアクティブラーニングについて、私個人の見解を書いてみたいと思います。
大まかに言って、理想としては賛成です。
といっても、あの今となっては失敗と言われている「ゆとり教育」の時の改正も、理想的には賛成できたんです。つまり理想はその時々の時世が求めるものを描いており、「今」に足りないものは的確に表現してあるということです。
高品質な労働力を多く輩出することを目的にした「詰め込み」教育。
大量生産が行き詰まりを見せ始め、ユニークな発想を欲した「ゆとり」教育。
今回の改訂で育成したい人物像とは、いったいどのような人でしょう?
私はその理想像を「TED」だと思っています。
ご存知でしょうか?TEDとは(Technology Entertainment Design)の略で、ニューヨークに本部のある非営利団体です。毎年バンクーバーで世界的な講演会を行っており、近年Youtubeなどで無料公開され大変注目を集めています。過去の講演者にはビル・クリントンやホーキンス博士などがいます。この講演の最重要課題はアイディアであり、講演者は各自のアイディアを分かりやすくプレゼンテーションするのです。
つまり、「原状から問題点を見出し考察することから新しいアプローチを発見し、それをより多くの他者にわかりやすく説明できる」人物を育成するのが目的なのではないでしょうか?
であるとすれば教育段階で大事なことは何か?わたしは「なぜ?」だと思っています。
学校の授業や日常生活で学ぶ多くのことに対して「なぜ?」と思うこと。
これが全ての始まりです。
具体的なアプローチとしては、例えばテストで間違えた時に「なぜ」間違えたのかを考える。
そしてその間違えた理由を説明できるようになる。
このように考えると、何も新しいことをしなければならないわけではありません。
そして、自分の考えた「なぜ」の答えをたくさんの人に説明したいと思えば、その先に英語があるはずなのです。
寺子屋学房では、「なぜ」を大事にしています。
たくさんの「なぜ」を一緒に考えましょう。そしてたくさんの「答え」を生み出しましょう。
これで学習指導要領改訂に関する考察は一旦おしまいにします。
また新たな「なぜ」を発見したら、続編を書かせてもらいますね。